当たり前の指導内容でも、必ず野球の一連の動きで、意味を伝えたい!
少年野球で、もともと当たり前にされる指導
私が少年野球をやっていた小・中学の頃から、以下のような指導は、当然のようにされていましたし、私も、意味も考えず、そんなもんだと思っていました。
- 『声を出せー!』
- 『投げるとき、肘を上げろ!』
- 『後ろに行ったボールを取って来い!』
そんな指導を受けてから、うん十年経ち、そして仕事も経営コンサルタントとして、大人の方々もご指導する立場になると、大人でさえ、意味や目的がしっかりと腑に落ちていないことは、改善に至らないし、一見改善しても、定着しないことを思い知らされます。
大人でさえそうなのですから、子供なら大人以上に、1つ1つの指導の意味や目的を、腑に落ちるように伝えてあげないと、当然、無意識の改善にまでは至らないと痛感しています。
コーチとして意識し合っていること
(1)声を出すことを本能に刷り込む
1つ目。
私も、ほかのコーチも共通して、低学年の選手を教えるとき、意識していることは、
『単に、行動のみを命令・指示しないこと』
ということです。
例えば、バッティング練習をしている時に、守備をしている選手とこんな約束をします。
『コーチと、選手とで、絶対に後ろにそらさないように、守り抜こう!』
そういう時に、ついでに、
『打ってこいー!!!と、自分の所に呼び込もうぜ!』
と言うと、自分の所で、打球を止めたい、という気持ちを持っているから、当たり前のように、
『バッチ来い!よし来い!!』
と、声が出ます。
また、こんなことも伝えます。
『3人しか守備いないから、自分が絶対に取る、と思ったら必ず、OK!とかオーライ!って言おうね!』
そうすると、選手たち、本当に声が出ています。
「オーライ!!」
(2)肘を上げないと困ること
2つ目。
投げるときに、肘が下がり気味の選手には、2つのことを伝えています。
- 『肘が下がっているということは、肘に頼って投げている証拠。それを続けていると、確実に、肘を壊すんだよ』
- 『(ノックで送球が逸れてしまう選手に)肘が下がって、サイドスローになっていると、どうしても、左右のコントロールが悪くなるんだよ』
「なぜ、肘を下げないで投げたほうがいいのか」をしっかり伝えると、少しずつ選手も真剣に改善に取り組んでくれます。
(3)後ろに行ったボール
3つ目。
後ろに行ったボールは、誰かが必ず取りに行かなければなりません。
私や他のコーチは、率先して外野を守ってくれる選手に、
『負担のあるポジションを、ありがとう!絶対に内野で止めるからね!』
と感謝と約束を伝えます。
そうすると、外野の選手は、使命感を持って守ってくれます。
内野の選手も責任感を持って、後ろに逸らさない気迫を持ってくれます。
そして、いざ、外野の選手が後ろに逸らしてしまった場合、バッターにトスを上げるコーチが、待ってくれる場合は、そのまま、頑張って取りに行ってもらいます。
そして、必ず、
「ありがとう!止められなくてごめんね!」
と伝えます。
一方、すぐに、バッターにトスを上げる様子なら、
「外野をそのまま守ってていいよ、コーチがボールを取ってくるから」
と伝え、すぐ自分でボールを探しに行きます。
こういう風にして、逸らしたのが悪いかの如く、逸れたボールを最後まで追わせるのではなく、必要に応じて、必要な人がボールを探しに行く、という雰囲気を、コーチ同士で作っています。
野球の一連の動きで、意味を伝える努力
上記のように、行動だけを命令したり指示するのではなく、野球という1つの大きなゲームの中で、どうしても必要な行動や工夫があり、それらが必要なんだと選手に伝わるように、行動と意味を分かりやすくセットで、伝えるように、コーチ陣で努力しています。
選手も一生懸命、野球が上達できるよう努力していますから、コーチとしても、
『どうしたら、面白く、分かりやすく、実践的に、本能に刷り込むように、野球を覚えさせてあげられるか』
を日々、研究しているつもりです。
だからコーチも奥が深くて、病みつきになります。
コーチになってから、何冊の教則本を買ったことか・・(妻からは白い目・・)